ホワイトニングとは
着色した歯は清潔な印象を与えず、本人にとっても大きな悩みの種になります。着色にはさまざまな原因が考えられ、外因性と内因性の2つに大きく分かれます。外因性はコーヒーや緑茶に含まれる色素や、タバコのヤニなどが付着したもので、歯の黄ばみにもつながります。こうした着色は日々の歯磨きで防いだり、クリーニングで汚れをきれいに落としたりすることができます。一方の内因性は、加齢によってエナメル質が薄くなり、内部にある象牙質という黄色っぽい層が透けて見えてしまうことによって歯が黄ばんで見えるものなどを指します。内因性の着色はクリーニングではきれいにできませんが、ホワイトニングであれば内部の色素を分解して輝くような白さに仕上げられます。ホワイトニングにはいくつかの方法があり、患者さまのご希望やライフスタイルに合わせて選択できます。
オフィスホワイトニング
歯科医院で施術を受けていただくホワイトニングです。担当スタッフとご希望の白さを一緒に確認できるので、安心して施術を任せられます。歯科医院で扱っているホワイトニング剤は濃度が高く、特殊な光を照射して作用を促進するので、1回目の治療で歯の白さを実感できます。口元をきれいにして臨みたいイベントを近く控えている方には、オフィスホワイトニングがおすすめです。ただし、白くした歯が早く後戻りしてしまうので注意が必要です。
オフィスホワイトニングのメリット・デメリット
メリット
すぐに効果を実感できる
ホワイトニング剤に含まれる過酸化水素という成分の濃度が、ホームホワイトニングに比べて高くなっています。また、特殊な光を照射して作用を促進させるので1回目の治療でも歯が白くなったのを実感できます。
施術時間が短い
ホームホワイトニングは、歯が白くなるまで2~3週間は1日約2時間の施術を続けなければなりません。オフィスホワイトニングは1度の治療にかかる時間が1時間程度で、数回施術を受けていただければ歯の白さが定着します。
きれいに仕上がる
ホームホワイトニングはご自身で施術を続けるため、丁寧にホワイトニングをしていなければ仕上がりにムラが出る可能性があります。オフィスホワイトニングは施術の経験をもったスタッフが担当するので、きれいな歯に仕上がります。
デメリット
後戻りが早い
徐々に歯を白くしていくホームホワイトニングと異なり、オフィスホワイトニングは一気に歯が白くなるためもとの色に戻るのも早くなります。個人差がありますが、白さが定着してから3ヵ月くらいで後戻りが始まることもあります。
通院しなければ施術できない
オフィスホワイトニングを受ける場合は、通院していただく必要があります。お仕事がいつも遅くなる方や、家事や子育てで忙しくなかなか外出できないという方にとってはなかなかタイミングが合わないホワイトニングとなります。
すぐに施術できないケースがある
オフィスホワイトニングは即効性の高い施術ではありますが、もし患者さまが歯周病や虫歯にかかっていると患部が悪化する危険性があります。そのため、事前の検査でトラブルが見つかった場合は治療を優先することがあります。
ホームホワイトニング
ご自身で行なっていただくホワイトニングです。まず、患者さまに合ったトレーを作製してホワイトニング剤と一緒にお渡しします。それからは歯科医師の指示に従ってご自宅でホワイトニングをしていただきます。ホワイトニング剤をトレーに塗布してお口に装着していただくことで、歯に薬剤が行き渡ります。すぐには白さを実感できませんが、2~3週間ほどで白さが定着してきます。じっくり歯を白くしていくので後戻りしにくく、白さを長く維持できます。
ホームホワイトニングのメリット・デメリット
メリット
後戻りしにくい
ホームホワイトニングでは低濃度のホワイトニング剤を使用します。すぐには白くなりませんが時間をかけてじっくり作用させていくので、白くなった歯を長期的に維持できます。効果を長持ちさせたい方におすすめです。
好きな時間に施術できる
ホームホワイトニングはご自宅で行なうものなので、お仕事が忙しい方や家事、子育てなどでなかなか外出できない方でもご自身のスケジュールに合わせて気軽に施術できます。
歯への刺激が少ない
ホワイトニング剤は歯への刺激があり、知覚過敏になるおそれがあります。オフィスホワイトニングは濃度が高い薬剤を使用するのでしみる場合がありますが、ホームホワイトニングで使用する薬剤は低濃度なので刺激が少なく、知覚過敏になりにくいといえます。
デメリット
すぐに効果が現れない
ホームホワイトニングで使用するホワイトニング剤は低濃度のため、歯の白さを実感するまでは2~3週間ほどかかります。もし、真っ白な歯にして出席したいイベントなどを近く控えている場合は、オフィスホワイトニングをおすすめする場合があります。
自己管理のうえ施術する必要がある
ご自身で毎日施術を続ける必要があります。もし面倒に感じてホワイトニングを怠ってしまうと、きれいに仕上がらなかったり、予定どおりに白くならなかったりする場合があります。
専用のトレーを使わなければならない
施術時は専用のトレーを装着していただきますが、トレーをはめている間はうまく発音できなくなる場合があります。ホワイトニングは毎日2時間行なうので、トレーを使うことにストレスを感じる方には向かない可能性があります。
デュアルホワイトニング
オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを組み合わせ、両者のメリットを掛け合わせたホワイトニングです。まずはオフィスホワイトニングで歯を白くし、その後はホームホワイトニングを受けていただきます。ホームホワイトニングの薬剤がよく浸透して早く仕上がるほか、後戻りもしにくくなって白さが長続きします。ただし、オフィスホワイトニングやホームホワイトニングを単体で行なうより価格が高くなり、知覚過敏のリスクも上がります。
・審美性を重視するため自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
・ホワイトニングには、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングがあります。
・色の白さの度合いには、個人差があります。
・ホワイトニング後、一定期間、色素の沈着が顕著になるとの報告がされています。
・ホワイトニング後、24時間は、着色物質(カレー・コーヒー・ワイン・タバコなど)の摂取を控えてください。ホームホワイトニング施術期間中も同様です。
・ホワイトニング処置中や処置後に、痛みや知覚過敏の症状が生じることがあります。
・ホワイトニングの薬剤に対してアレルギーのある方は、薬剤で口腔粘膜に異常が起こることがあります。その際は、すぐに使用を中止してください。
・ホームホワイトニングはご自分で行なうため、どのような仕上がりになるか予想がつきにくく、歯の白さの調整が難しくなります。
・ホームホワイトニングでの器具の使用方法や薬剤量などが正しく守れているかご自分での判断が難しい場合は、歯科医師または歯科衛生士に相談ください。
・詰め物や被せ物が多い方は、ご自分の歯との色の差が目立つようになることがあります。その部分の色をご自分の歯に近づけることは可能ですが、時間と費用が必要です。
・入れ歯や差し歯など、人工歯は白くできません。
・被せ物を装着している歯には適用できません。
・歯にひびが入っていると、薬剤の影響により歯髄にダメージを与えることがあります。
・抗生物質の影響により歯の変色が著しい方は、ホワイトニングの効果が出にくい場合があります。
・「無カタラーゼ症」の方は、薬剤に含まれる過酸化水素を分解する酵素がないため、ホワイトニングはできません。
・薬剤の影響があるため、妊娠中や授乳中の方は控えてください。